<症例紹介②:脊柱菅狭窄症による両下肢痛(痛みが改善!歩行が安定!)>

群馬県太田市の理学療法士による個別リハビリ中心のデイサービス、グッドデイズ太田の指出です。

 

今回も、簡単な経過を含めて、リハビリのポイントなどをご紹介させていただきます。

 

〜「腰〜骨盤にかかる負担を軽減させ両下肢の痛みが改善した症例〜

 

<基本情報>

70代 要介護2

<疾患名>

腰部脊柱管狭窄症、腰椎椎間板ヘルニア、左肩関節周囲炎

<症状>

腰背部痛、両下肢の痛み、左肩関節の機能不全(関節可動域低下、運動時の痛み)

<現状歴>

2年前に強い下肢痛で動けなくなり近医に入院し保存的に治療を受けたが、下肢痛が残ってしまっていた。主治医より筋力を鍛えながら上手く付き合っていくようにと指導を受けていたが、なかなか上手く管理できず徐々に動くのが大変になってきてしまった。両下肢の神経痛にて薬(リリカ)を内服中。

<ご利用時の状態>

歩行時に両下肢に痛みがありT字杖を使用しゆっくりと歩けている状態。痛みをかばうため前屈みになり両下肢は床面を擦るように歩いている。左肩関節は顔の前程度までしか挙上が困難。

<当施設で1ヶ月間のリハビリ後の状態>

腰背部痛や両下肢の痛みはなくなり、神経痛の薬(リリカ)もやめることができた。

歩行はまだT字杖を使用しているが徐々に安定してきている。

左肩関節は特別な制限がなくすべて動かせるようになった。

 

<まとめ>

腰部脊柱管狭窄症と腰椎椎間板ヘルニアから来ていると思われていた両下肢の痛みは、詳しく状態を確認させて頂いたところ、「お尻の筋肉への負担による硬さ」、「骨盤の不安定さによる仙腸関節にかかっている負担」である疑いが強く、腰背部痛は「腰の筋肉の硬さ」、「腹筋群の弱さ」によるものと思われました。

上記の原因を改善させるための、お尻の筋肉は直接、手で緩め、骨盤(特に仙腸関節)に負担がかからないように両下肢のバランスを調整して、腹筋群を中心としたいわゆる体幹部分を上手く使えるようにリハビリを行ったところ、徐々に症状が改善し、1ヶ月後には症状がなくなりました。また、体幹の機能を改善させるために、脊椎の運動と呼吸練習も平行して行っていました。

肩関節に関しましては、肩甲骨の周りをよく緩めてから、腕を動かす時に同時に肩甲骨も動くように練習をしたところ肩関節の動きは良くなりました。

デイサービスを始めてから、関わった方のほとんどは肩甲骨周りがガチガチでした。肩甲骨の動きを改善させる前に、無理やり肩関節だけ動かしていくと、肩を痛めてしまうので注意が必要です。滑車運動も注意が必要です(当施設では滑車を使った肩甲骨の運動をスタッフが補助して行っています)。

 

多くの方に共通していることではありますが、診断名(病名)を気にしすぎてしまい、すべての症状は病気のせいだ、と思っている方が多いですが、実際は、普段の何気ない姿勢や繰り返し行っている動作が原因であることが多いように思います。

 

リハビリでは病気を治すことはできませんが、身体のバランスを整えたり、姿勢や動き方を修正したりして症状を改善できる場合があります。

 

まずは、身体を詳しく調べ、症状の原因を探すことが重要です!

 

医師による検査や治療が必要だと判断した場合は、主治医の先生にお手紙を書いて、報告させて頂いております。

 

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