グッドデイズ太田のリハビリ[太田市 リハビリ デイサービス]

群馬県太田市の理学療法士による個別リハビリ中心のデイサービス、グッドデイズ太田の指出雄三です。

 

介護業界でリハビリをさせていただき、1年4ヶ月となりました。やっと、いくらか慣れてきました。

 

前回と重複してしまう内容にもなってしまいますが、

 

現在の介護保険下でリハビリ業務を行う理学療法士が、リハビリを必要とされている方たちにどのようなリハビリができるのか?どのようなリハビリをすべきなのか?

 

当施設のリハビリに対するの考えを踏まえ、「リハビリに特化したデイサービスの役割」を少し書いてみたいと思います。

*以下の内容の多くは、私個人のリハビリに対する考え方であり、正しいというわけではありません。いわゆるデイサービスの目的とは外れている部分も多くあるかとは思いますが、ご了承ください。

 

 

4000文字程度ありますので、「意見を聞いて(読んで)やろうじゃないか」という方は、お時間のある時に読んでみてください。

この記事を読むには「おおよそ10分程度」必要です。

*ちなみにリハビリ専門職向けの内容ではありません。

 

 

リハビリテーションには、大きく分けて、「急性期」、「回復期」、「維持期(生活期)」、「終末期」という状態や時期に応じたステージがあります。

 

急性期:救急病院で急な病気やケガの治療直後もしくは治療と並行して行われるリハビリを指します。急性期においては、身体の機能そのものの回復が一番重視されるべきですので、リハビリの内容は無理のない、負担の軽い程度のリハビリを中心に行うことになりますが、最初が肝心ですので、次のステージに上手くバトンタッチするためにも医師や看護師としっかりと連携を図り無理なくきっちりと進めて行かなくてはなりません。今では、手術前からリハビリを行うのが当たり前になってきています。

 

回復期:急性期の治療が終わり病状が安定してくると、そのまま退院してリハビリが終了になる方もいらっしゃいますが、病気により以前の生活と同様、もしくは少しでも近い生活が送れるようになるには、継続したリハビリが必要な方も少なくありません。そのような方は、「リハビリ病棟」や「リハビリ専門の病院」に移りリハビリを継続することになります。ここでは理学療法士、作業療法士、言語聴覚士による専門的なリハビリ(多くは365日、1日3時間)はもちろん、朝起きてから寝るまでの入院生活すべてをリハビリと捉え、それぞれの動作に目的をもって、できる限りご自身の力で生活出来る様に努めていきます。もちろん機能の改善も行われますが、家での生活を想定した日常生活活動(ADL:Acthivities of daily living)訓練が中心に実施され、自宅に帰ること、社会に復帰することを目指します。また、必要に応じて職業訓練(仕事に復帰)や自動車の運転練習等も行われるかと思います。

*回復期の病棟・病院には、「入れる時期」・「入っていられる期間」があり、制度上、疾患毎に制限があります。期限があるということは、すべてが完結できない場合もあるということになるのではないかと思います。どんなに頑張っても障害の程度によっては規定の日数ではリハビリが完結しない場合があります。

 

維持期(生活期):急性期、回復期を経て症状ならびに障害の状態が安定した後、在宅で生活している時期が維持期(生活期)と呼ばれます。つまり、既に在宅生活ができている時期に行うリハビリは維持期(生活期)リハビリと呼ばれます。その目的はかつて文字通り、それまでの急性期、回復期で得たリハビリの成果を「維持」することにありました。しかし、現在の維持期(生活期)リハビリが担う役割はそれだけではありません。疾患による障害を完全に克服することは難しいのが実情です。何らかの後遺症が残ってしまう場合も少なくありません。無事に在宅生活に復帰されたとしても、それまでの生活に比べると「あれ?こんなこと 前は簡単にできたのに・・・。」というような不便さは大いに考えられ、言い換えるとどうしても「生活の質」という点においては、以前に比べると下がってしまいます。維持期でのリハビリの目的は、その「生活の質(=Quality Of Life)」を向上させるための機能訓練や日常生活上で必要な動作練習を行うこととなります。

 

とあるリハビリ病院の院長先生が、医療のリハビリは「生活の質向上」を目指すもの。介護のリハビリは「日常生活の自立」を目指すもの。と仰っていましたが、

 

現在は、制度上、回復期の状態で、「デイサービスのみ」になる方もいらっしゃいます。

 

ということは、デイサービスにおいても、「医療的なリハビリ」+「介護的なリハビリ」の両方を行う必要があるということになります。

 

状態が安定していると、漫然とリハビリを行ってしまいがちではありますが、しっかりとお一人お一人の状態を把握し、必要なリハビリを提供していく必要があります。

 

当施設には、

・進行性の疾患で状態に合わせたリハビリが必要な方

・骨折や関節の手術後の後遺症が残っている方

・脳卒中の後遺症が残っている方

・病状自体は落ち着いているが、徐々に調子が悪くなって来てしまった方

・病院での検査では特に異常はないが、様々な不調を来している方

など、リハビリを必要とされている多くの方が通われております。

 

いつも思っていることではありますが、

「ケガ」や「病気」に囚われすぎず、

「局所の機能」に拘りすぎず、

「全体」をしっかりと捉えてリハビリを提供する必要がある、と思っております。

 

どなたにでも共通して起こる「加齢」という変化。

 

病気やケガがなくても、年齢を重ねれば、身体の機能は衰えていくものです。

 

多くの方は、「病気」や「ケガ」の名前を効くと、全部その「病気」や「ケガ」せいで調子が悪いと思ってしまいがちですが、「病気・ケガ」+「加齢による変化」である場合がほとんどです。

 

「病気」や「ケガ」の影響はあまりなく、ほぼ「加齢による変化」という方も以外に多くいらっしゃいます。

 

「加齢による変化(筋力が弱くなったり、関節が硬くなったり)」はなかなか自分では気がつけないものです。「痛み」が出て初めてどこかが悪いのかな?と思う方が多いのではないでしょうか?

 

「加齢による変化」の例としては、よい姿勢を保つための筋肉や弱くなる → 姿勢が悪くなる(猫背、膝が曲伸びない、ガニ股) → 局所に負担がかかる(背骨・背中や足の一部の関節や筋肉に負担が集中する) → 負担がかかっているところが痛くなる・変形する → 痛みをかばって姿勢や動きが崩れる → 局所に負担がかかる → また新たに負担がかかったところが痛くなる

 

どこかに痛みが出た時は、すでに、どこかで「かばって」「かばって」とした後である場合が多いです。

 

いわゆる悪循環ですね。

 

あまり身体が硬くなると、普通に動いているだけで負担、座ってても寝てても身体は常に休まらない状態になってしまいます。寝てもすっきりしない、疲れが取れないという方も多いのではないかと思います。よく自律神経が・・・という話にもなりますが、無意識での緊張状態です。

*もちろん、「食事のバランス」や「睡眠の質」、「運動習慣」、「内臓機能の低下」などが関係している場合もあります。

 

ということで、いわゆる「後遺症」がある部位だけへのリハビリだけでなく、この「加齢による変化」で低下した機能を改善させることも大事なリハビリだと思います。

 

ある程度の年齢になれば、もう「全身」に何らかの問題が生じている方がほとんどだと思います。後遺症は改善しなくても、加齢的な変化の部分は改善できたりする場合が多くあります。身体は関節や筋肉(筋膜)・皮膚などでつながっています。身体をひとつの「個体」として考えれば、どこを改善させても全体としての点数は上がるはず!なんじゃないかなと思っております。

 

不調の原因が、

・「病気やケガ」100%

・「病気やケガ」50%、「加齢的な変化」50%

・「加齢的な変化」100%

など、さまざまなケースがあります。

 

生活場面でのリハビリはもちろん重要ではありますが、改善できる機能があるのであれば、現状の機能で無理やり生活にマッチさせるのではなく、生活場面でのリハビリと平行して機能を改善させるリハビリをするべきなんじゃないかなと考えております。

 

基本的に「どこかをかばった動き」というのは、「どこかに負担をかけます」。もちろんすべてが改善できるわけではありませんが、極力、正しい姿勢や動きをするにこしたことはありません。改善できない機能がある場合は、どうしてもどこかに負担をかけた動きをせざるを得ません。しかし、その方の姿勢や普段の動きを見れば、どこに負担がかかっているというのが分かりますので、その負担が蓄積しないような管理方法(自分で行うリハビリ)を習得していただきます。いわゆる自主トレです。ポイントはその日の負担はその日に取る!ということです。その場でできていない運動は家でもできませんので、できるだけ簡単で種類は少なくします。できない運動は逆効果になる場合がありますので省いた方が無難ということになります。

 

入院中の方と違い、基本的には、ご自宅で生活されている方がほとんどですので、「間違い」にも気が付きにくい状況です。こういう風な生活にした方がいい、といっても、実際、生活をしなければならず、ご自分でしなくてはいけない事も多いというの方が多いです。負担だとわかっていてもやらなければならない。なかなか理想通りにはできない環境です。

 

当施設の場合は、「鍛える」ということよりも「緩める=ほぐす」ことを優先しています。硬さというのは、身体の使い方を崩してしまうだけでなく、まるで筋力が弱くなってしまったかのように力を抑えるように脳に働きかけてしまいます。身体を柔らかくすると力が入りやすくなるのはそのためです。

 

*純粋に弱くなっているところは、使えていない筋肉を使う練習をします。普段使えていないところはとことん弱くなっている場合が多いですので、いわゆる筋トレや歩いて鍛えるというのはちょっと難しいところですので、サポートしながら軽い練習から始めています。

 

色々な考え方があるとは思いますが、私個人的には、後遺症だけでなく、加齢的な変化も含めて改善できる機能は改善させながら、余計な関節や筋肉に負担がかかりにくい、できるだけ正しい動作を習得して、生活の場面に活かしていけるようなリハビリが提供できれば良いのではないかと思っております。改善できない分は、できるだけ身体への負担を減らせるように福祉用具やサポーター類の使用、住宅改修を含めた環境の整備を提案させていただいております。もちろん、マンパワーも時間も限られていますのでリハビリ病院のような手厚いリハビリを提供することはできません。お一人お一人に提供できるリハビリは限られてしまいますが、いくらかでも経験でカバーできればと思っております。

 

長々と、まとまらない文章を読んで頂きありがとうございます。

 

ご意見やご感想、ご質問がありましたら、よろしくお願いいたします。

 

 

 

 

 

 

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