群馬県太田市の理学療法士による個別リハビリ中心のデイサービス、グッドデイズ太田の指出雄三です。
11月3日(文化の日)、デイサービスはお休みです。
「自由と平和を愛し、文化をすすめる日」。統計上、晴れが多いので有名だそうです!
前の職場の後輩(理学療法士)の身体のメンテナンスをして、事務仕事をしつつ、ブログを書いています。
本日は、「何となくすっきりしない」、「何となく調子が悪い」、「天気が悪くなると調子が悪い」、「病院では異常はないと言われたが調子が悪い」という方への対応(リハビリ)についてです。
当施設では、病院で異常なしと言われても、「調子が悪い」「動けない」と言うお悩みをお持ちの方が結構いらっしゃっています。
そういう方は、原因を追い求めるよりも、ご自身の「健康」とうことに目を向けるべきだと考えております。
もちろん、しっかりと病院で検査を受けた上での話ではなります。
中には、藁にもすがる思いで、高額な健康関連商品を買い漁るようになってしまう方もいらっしゃいます。
病院で異常がない = 病気やケガではない 、という可能性が高くなります。
もちろん、医療機関がすべての症状に対応しているわけではありません。いわゆる、「身体の歪み」、「日常的にかかる負担」・・・、病気としての診断名がつかなければ、「異常なし」ということになります。
しかし、いつまでも若いときのままの状態でいられる方はいないでしょう。
私たちはただ普通に生活しているだけで、様々なストレスを受けます。
「人間関係での精神的なストレス」、「日常的に繰り返される同じ姿勢や動きによる関節や筋肉へのストレス」「運動不足」、「睡眠不足」、「偏った食事」・・・、これらは、知らない間に私たちの身体に少しずつ負担をかけていきます。
この少しずつ気が付かないうちにかかっている「ストレス」こそが、「不調」の原因である場合が多いと考えております。
こういった場合、リハビリを行う上で大切なことは、
「症状」ばかりに目をとらわれず、その方の「健康」を意識することです。
簡単に言ってしまえば、病気ではなく調子が悪い方は、皆さん「不健康」ということになります。
では、「健康」の要素とは、
①適度な運動習慣
②バランスの良い食事
③良質な睡眠
④ポジティブシンキング(前向きに考える) です。
今回は、「健康 = 自律神経の調和」「不健康 = 自律神経の乱れ」として考えてみたいと思います。
まず、自律神経とは、「休む時の神経(副交感神経)」と「活動する時の神経(交感神経)」を合わせたものとなり、常日毎、身体のバランスを取っている神経です。本来は勝手に上手くバランスをとっているのですが、様々なストレスによって、乱れ、不調をきたします。
中でも「活動する時の神経(交感神経)」が優位に働いてしまっていることが不調の原因では多いのかなと思います。
「活動する時の神経(交感神経)が優位」 = 「身体と神経の緊張状態」
自律神経が乱れることによる主な症状は、
・全身のダルさ、疲労感
・頭痛、めまい、睡眠障害
・肩こり、腰痛、関節痛
・食欲不振、吐き気
・便秘、下痢
・排尿障害
・手足のしびれ、冷え
などです。
身体のバランスを取る神経の乱れですので、本当に様々な症状がでてきますね。
ここで、勘違いしてはいけないのは、もちろん「病気の症状」である場合もある、ということです。
まずは、しっかりと病院で「検査」を受け、「医師」の判断を仰ぐことが大切です。
それでも、「異常なし」となった場合は、ご自身の「健康」を考えるべきではないでしょうか。
それでは、本題に入っていきます。
少しリハビリの範囲を超えてしまうかもしれませんが、ご了承ください。
では、実際どうすればいいのかということになりますが、
①適度な運動習慣
ポイントは無理をしないことです。よく間違いがちなので、「運動はすればするほど効果がある」、「キツイ運動の方が効果がある」といったことでしょうか。基本的に緊張状態の方は、身体が硬い方がほとんどですので、筋トレやキツイ運動よりも、「楽に呼吸をしながら行うストレッチや柔軟体操」が必要になります。いつまでも続けられるような負荷で運動を楽に運動を行ってください。
自律神経と関係の強い、「背骨」を柔らかくできるといいですね。
もちろん「背骨」だけではないのですが、基本は「柔らかく」ということです。
身体が硬い方は、脳が勝手に力をセーブしてしまうので、一見「力が弱くなった」と勘違いしてしまいがちです。もちろん、本当に「弱い」場合もありますが、中には、「弱い」原因が「身体の硬さ」という場合もあります。
散歩はできるだけ姿勢良く!歩けば良いというわけではなく、「距離」よりも「歩き方」の方が大事ですので、しっかりと「胸を張って」、「下っ腹を引き締めて」、「つま先をまっすぐ前に向け」、「腕を軽く振って」歩けるといいですね。「歩き方が悪い」と関節や筋肉を逆に痛めてしまう場合があります。
*当施設で使用している「体操のマニュアル」が必要な方はお問い合わせください。無料でお渡し致します。
②バランスの良い食事
なかなか毎日バランスよく食事をするというのは難しいことです。
食事は大まかに分けると、
「主食(ご飯やパン、麺類、イモ類など)」:でんぷん、糖質 → エネルギー源
「主菜」(肉、魚、豆類):タンパク質、脂質 → 筋肉の元
「副菜」(野菜):ビタミン、ミネラル、食物繊維 → 身体の機能の正常に保つ
が中心となると思います。
その他は、「乳製品」や「果物」を少々といった感じでしょうか。
食事ですので、上記のものを上手く組み合わせて摂取できるにこしたことはありませんが、どうしても「お惣菜」や「コンビニ弁当」が多くなってしまうという方も少なくないのではないでしょうか。
現実的なところで、足りない部分は、「サプリメントで補う」というのも一つの方法かなと思います。
ポイントは、「足りない栄養だけ補充」というところでしょうか。やたら数を飲めばいいというわけではありません。ものにもよるとは思いますが、身体はある程度しか吸収しませんし、過剰な接収で身体の不調をきたしてしまう場合もありますので。
サプリメントとは、「薬」ではなく、あくまでも「健康補助食品」ということでしょうから、栄養を補充するという以外の効果を期待しない方がよいでしょう。
「◯◯の痛みに効く」「軟骨が◯◯」ということは、普通に考えても難しそうですね。
「食事」ですからね。
あと、病院からお薬をもらっている方は、「飲み合わせ」の問題もありますので、一度、医師や薬剤師さんに相談されるとよいでしょう。
③良質な睡眠
眠れないということは大きなストレスです。ご高齢になると必要な睡眠時間は短くなると言われておりますが、2時間、3時間では足りないでしょう。
睡眠導入剤や安定剤などの薬もいいですが、ご自分でできることを色々と試して見てはいかがでしょうか?
方法は色々と紹介されていますが、
・寝る前に軽いストレッチや柔軟体操を行う
*筋トレは「活動する神経」が働いてしまうのでダメです。
・身体を温める(お風呂、レンジでチンのホットパック、温かいものを飲む)
*一般的に、水分を含んだ熱の方が身体の深部まで温まると言われています。「ホッカイロ」や「電気毛布」などは乾いたですので温まるのは表面的です。しかし、芯が温まるわけではなくても「寒くない」というだけで使うメリットはあると思います。寒いと身体が硬くなりますからね。
・お腹(腸)や足の裏、頭などをマッサージする
・枕やマットレスを調整する
・落ち着く音楽を聞く
*有名なのは「小川のせせらぎ」系でしょうか。α波(あるふぁ)というものが含まれており、「リラックス」効果があります。
・寝る前に、テレビを見たり、パソコンをしたりしない。
*刺激で「活動する神経」が働きやすくなります。
幾つかは、できそうことがあるのではないでしょうか?
④ポジティブシンキング(前向きに考える)
調子が悪い方というのは、どうしても「ネガティブ(後ろ向き)」な考えになりがちです。「このままどんどん悪くなったらどうしよう」「もう一生治らないのかな」と考える方が多く、夜など静かなで暗い環境では特に強くネガティブになってしまいがちです。
「病は気から」といいますが、この「気持ち」の部分はとても大切です。
元気で長生きされている方で、「前向き」であったり、いい意味で「あまり気にしていない」方が多くないですか?
余談ですが、以前、病院勤務の際、腕の手術をされた患者さんで、どんな薬を使っても、どんなリハビリをしても痛みが全然改善しない方がいらっしゃいました。この方は、最終的に、「特別な薬」ですよ、といって、ただの「でんぷん」を飲んだところ、なんと、治ってしまいました。こんなこともあるんです。
いわゆる「プラセボ効果」というわけです。
信じるものは救われる(可能性がある)ということですね。
巷には、民間療法として、様々な施術をされる方がいらっしゃいますが、この「プラセボ効果」というのも関係していると言われています。
悩んでいる方にしてみたら、結局のところ、「よくなればいい」ということでしょうから、別にいいとは思いますが、一つ気をつけなくてはならないのが、「良くなることもあれば、悪くなることもある」ということですね。民間療法場合、ここは、「自己責任」となってしまいます。
話がそれましたが、「前向きに考えれば」いくらかはよくなるのではないか、ということです。
あまり気にしなさすぎて、「病気」を見逃した、ということがないように、やはり、定期的に病院にはかかるべきでしょう。
最後に
現在、デイサービスを利用されている方の中には、病因で異常なしと言われたが「身体がだるい」「めまいがする」「足がしびれる」という方もいらっしゃいます。原因がわからないというのは気持ちが悪いものですので、多くの方は、何かの「病気の症状」にしたがります。医師が「異常なし」といったものを、自分で「何の病気だろう」と考えても、なかなか前に進むことはできません。
一度考え方を変えて、ご自身の「健康」という面で考えてみて、「身体にいいこと」を少しずつ取り入れてみてはいかがでしょうか?
もちろん、すべてが自律神経とは言えませんが、自律神経が絡んでいることも否定はできません。いずれにしても、「身体にいいこと」をして損はないのではないでしょうか。
個別のご相談とかがありましたら、「お問い合わせ」いただければお答えさせて頂きます。