太田市の理学療法士による個別リハビリを中心としたデイサービス、グッドデイズ太田です。
当施設は、脳卒中後、神経難病、骨折後、関節手術後など、専門的なリハビリを必要とされている方多く通われている半日デイサービスです。
当施設に通われている方の中には、関節リウマチの方も多いのですが、最近、ある利用者様から、関節リウマチの食事について質問を受けましたので、「日本リウマチ財団」が発表している情報をいくつかシェアさせていただきます。
情報は更新されていくと思いますので、リウマチ財団Q&A食事をご参照ください。
関節リウマチ自体は、特に食事に気をつける必要はないようですが、飲んでいる薬や、症状、副作用、合併症などによっては、気をつけなければならない方がいらっしゃると思いますので、ご参考にしていただければと思います。
何の分野でもそうですが、研究が進むに連れ、正しいこと、間違っていることが変わってきてしまいますので、以下の情報を鵜呑みにはせず、主治医の先生や薬剤師さん、栄養士さんなどにご相談していただければと思います。
リウマチ21.info(田辺三菱製薬)でのよく解説されていますよ!
関節リウマチの食事Q&A
1.R-1ヨーグルトが関節リウマチに良いと聞き、食べ始めたが、最近、関節の痛みが腫れが出てきている。
答え:R-1ヨーグルトの関節リウマチに対する有効性について、マウスを用いた動物実験では関節炎に対する予防効果と炎症を引き起す物質の産生を抑制することが示されています。しかし治療効果は不明であり、またヒトの関節リウマチに対する効果も明らかではありません。関節の症状が悪化するようであれば、R-1ヨーグルトを摂るのは一時、止めてみてはいかがでしょうか。(H25.10)
2.現在はリウマトレックスを服用中です。プロポリスがリウマチに効果があるかもしれないと勧められ、現在薬と併用しているのですが、プロポリスの効能を見たところ、このまま併用して良いものかどうか不安です。続けてもよいものでしょうか?
答え:かつて関節リウマチの治療が十分に満足できる状況でなかった時代、一部の患者さんは様々なサプリメントや民間療法を自己判断で行われていました。しかし、現在は関節リウマチの治療は大きく変化し、確実に病気を抑えたり、止めたり、あるいは発病早期では治すことも可能となりました。したがって、プロポリスなどを含めたサプリメントや民間療法は、たとえ効果があったとしても最近の治療薬の効果とは比べ物にならないほどわずかですので、併用する意味はほとんどないと言っていいでしょう。また、サプリメントや健康食品類にビタミンのひとつである葉酸が多く含まれている場合は、リウマトレックス(メトトレキサート)の効果を減弱させ、せっかく安定していた関節リウマチを悪化させることもあります。サプリメントや健康食品類を併用する場合は、担当医と相談しながら、冷静に対応してください。(H24.12)
3.25年近く関節リウマチと闘っていますが、最近腎臓の機能が低下しているとのことが判りました。食事療法を教えてください。
答え:関節リウマチの患者さんで腎臓機能が悪くなってきた場合、最も重要なことは、当然ですがその原因をみつけてそれに対する適切な対応をすることです。
関節リウマチの患者さんでみられる腎臓機能の障害には、関節リウマチ自体が悪いために腎臓にも病変がくる場合、使用薬剤が原因となっている場合、その他の合併症(糖尿病など)による場合があります。たとえば、糖尿病であれば、食事療法がもっとも重要で、基本は脂肪や糖質も制限して総カロリーの摂取の制限が第一になります。その他の原因による腎臓機能の障害でも食事療法は重要ですが、それはあくまで補助療法です。原因にかかわらず、塩分をとり過ぎないこと(高血圧を助長します)は重要です。また、腎臓機能がかなり悪くなっている場合は、タンパク質(肉や魚、豆類など)も制限が必要となります(窒素が体にたまり尿毒症という状態になります)。
4.テレビ番組で赤ちゃん用ミルクが関節リウマチによいと放送されたのですが、どうでしょうか?
答え:関節リウマチに対する食事療法で人工乳の効果についての御質問ですが、明確な治療効果を有する食物はないと思われます。動物実験において人工乳に含まれる脂肪酸の有効性を示す報告がありますが、否定的な報告もあり、明らかではありません。
5.病院で先生に、肉類、柿、コーヒーなどを食べたりしないようにいわれたのですが、これらを食べなければ本当に関節リウマチの症状が緩和されるのでしょうか?その他食べ物への注意を教えてください。
答え:肉(特に豚の脂身)は関節リウマチの関節症状を増悪させる、柿は体を冷やす方向に導くため関節リウマチに良くないという報告は特に漢方の世界でよく言われます。しかし、漢方で診断するところの関節リウマチが本当に関節リウマチかどうかについては難しいところです。東洋医学に関節リウマチが導入されたのは比較的最近で、漢方の世界では症状により診断が下されるため、痛風や変形性関節症など関節に痛みを伴う病気はすべて同じ病気にされていた歴史があります。肉や柿が関節リウマチそのものに悪いという明らかな論拠は乏しく、比較した臨床研究もありません。コーヒーについては幾つかの比較した研究がありますが、いずれも関節リウマチそのものの状態を変化させるものでなかったことが記されています。ただし、コーヒーのとりすぎは骨粗鬆症の増悪因子となりますので1日3杯程度にされるのがいいと思います。食事とリウマチについては他にも幾つか研究論文がありますが、賛否両論があったり、動物実験だけの結果であったりと実証に乏しいものが多いのが現実です。唯一青魚の油のみ症状を緩和させる働きについて複数の支持を得ています。
6.食事で食べてはいけないものありますか?穀物や大豆をよく摂取します。影響はありますか?
答え:関節リウマチをはじめとする膠原病の原因(きっかけとなるもの)はまだ不明であるため、どうしたら予防できるのか、食べ物など生活で注意すべきものはあるか、現段階ではっきりお答えできるものはありません。しかし一般には関節リウマチになることと食べ物との関係が問題にはなっておりません。とくに食べてはいけないものもありませんし、穀物(炭水化物です)や大豆(植物性蛋白質です)も関節リウマチに対する特別な影響はないと思われます。
7.食べるもので気をつけるものはありますか?
答え:関節リウマチだからといって特に食べていけないとか、食べた方がよい食品はありません。ただ副腎皮質ステロイドを服用されている方は、肥満傾向、糖尿病の傾向、コレステロールの上昇などが起こりやすいので、過食や、脂肪分の多いものは勧めません。またメトトレキサート(リウマトレックス、メトレート)は青汁のジュースや大量の緑化野菜、海草などを食べると葉酸(フォリアミン)が入っているために効果がなくなります。一方関節リウマチが良くなるという食べ物は全部と言ってよいほどいい加減なものばかりです。コンドロイチンなども注射をするのでなく、口から摂取した場合には腸での吸収時に分解されてしまい、効果はありません。こうした治療法を勧められてどうしたらよいかわからないときには必ず主治医にご相談ください。