今年度は、7月からでしたが、初めて介護業界で仕事をさせていただき、右も左もわからない状態でしたが、多く方々に、いろいろとアドバイスをいただき、なんとかここまでやってくることができました。まだまだ至らないところも多いですが、これからもよろしくお願い致します。
今年も残りわずかではありますが、今までと変わらず、ご利用者様お一人お一人としっかりと向き合い、個別でしっかりとリハビリを提供させていただき、「改善」という結果を残していければと思っております。
当施設では、「当施設でできる5つの改善」というものをあげさせていただいております。
1.痛みの「改善」
2.筋肉や関節機能の「改善」
3.立つ・歩くなどの基本的な動作の「改善」
4.応用的な日常生活に即した動作の「改善」
5.健康状態の「改善」(メタボ・ロコモ・循環・呼吸を改善します)
そこで、我々が考え実施させていただいているリハビリについて症例を示して簡単にご紹介させていただきます。
<症例紹介>
71歳 男性 診断名:パーキンソン病 介護度:要介護1 H27.8.7より週1回でサービス開始
初期評価(H27.8.7):脊椎(頚椎・胸椎・腰椎)、両上下肢の柔軟性低下しており、可動域制限り。
サービス開始前は自己流で筋トレを続けており、偏ったトレーニングにより決まったところのみに負荷がかかり、筋肉や関節が硬くなってしまって上手く動けない(動かせない)状態。強い筋肉(背筋・大腿四頭筋)と弱い筋肉(腹部・臀筋)の差++。脊椎・骨盤の歪みあり。 立位はなんとか可能、片足立ちは不安定で足を上げてもすぐについてしまう。起き上がりや立ち上がり、移乗はつかまれば可能、つかまるところがない場合は介助が必要。屋内歩行伝え歩きレベル、屋外はT字杖歩行監視。
リハビリ内容:
マンツーマンでの個別リハビリ(40分程度・計13回実施):
・身体の柔軟性を高めるため肩甲骨・脊椎・股関節へのモビライゼーション(関節の動きを改善させる手技)
・骨盤の調整、骨盤の安定化運動(徒手で骨盤を対称に調整し、骨盤周囲の筋肉を働かせる運動)
・複数の関節運動を組み合わせたダイナミックなバランス練習(実際の生活面で必要なバランスを改善)
その他、オリジナル集団体操。低負荷でのエルゴメーター、筋肉を緩める振動マシンを後に追加。
中間評価 (H27.10.30):
脊椎、両上下肢の硬さはだいぶ改善。脊椎・骨盤の歪み改善。全身のバランスも整いつつある。立位安定、片足立ち左右ともに8秒可能。起き上がり・立ち上がり自立。屋内歩行独歩自立。屋外は杖歩行自立・独歩ほぼ自立。
リハビリに関しては、いわゆる筋トレは一切行っていません。身体の柔軟性を高め、全身の状態を整える(硬いところを柔らかく、働きが悪い筋肉を働きやすく、中心部の安定)ためのリハビリを行いました。
昔は「歩けないのは筋力が足りないからだ!」とか「転倒するのは筋力が足りないからだ!」、「骨折したんだから、麻痺があるんだからしょうがない」と言われることが多かったですが、最近は、「硬さ」が転倒の一番の原因であると言われています。実際に細く痩せ細っている方でも歩ける方は大勢いますし、結構筋肉がついていてしっかりしてそうな方でもうまく歩けない方もいらっしゃるかと思います。
各関節(特に背骨)や筋肉が硬く、身体の中心部が安定していない状態で、痛いところ弱いところをかばった動きを繰り返しているため、身体のバランスが崩れ、負担のかかっている部分が硬くなる。その硬さによって、本来持っている筋力を十分に発揮できない。ということが、しっかりと歩けない・転倒しやすい「本当の原因」となります。
ご利用者様には「加齢により身体のバランスが崩れたことによる硬さ」と「パーキンソン病による硬さ」がありました。その両方の硬さを「改善」させることが理想ではありますが、実際には難しい部分もあります。「硬さ」が「硬さ」を増強させていく「負の連鎖」から、ポイントを押さえたアプローチで「正の連鎖」に変えていくことが重要となります。ポイントは「背骨+骨盤+股関節」などの身体の中心部です!
ご利用者様には病気や身体のことだけでなくリハビリの内容に関してもしっかりとご理解・ご納得していただくことが「改善」のためにはとても重要となります。もちろん、セラピスト側にはしっかりと説明をする責任があります。当施設では、しっかりと「現在の身体の状態」と「改善するために必要なこと」を説明させていただき、ご納得していただいた上でリハビリを行わせていただいております。
ご本人のご理解や自己管理がうまくできたということもあり、H27.11.25再認定で無事に、要介護1→要支援1に改善が見られました。今では、またゴルフがやりたいとおっしゃっています!
今後も「改善」という結果を残していけるように、利用者様のことを一番に考えてリハビリを行っていきたいと思います。
他のご利用者様もみなさん機能や動作が改善されていますので、中には、びっくりするような改善をされている方もいらっしゃるので、順次ご報告させていただきます。
「要介護」という、いわゆる介護が必要な状態です。となっても、身体の機能や動作が改善する方は大勢いらっしゃいます。私たちは、どんな方にでも「改善」できるところはあると思っております。
リハビリのこと、身体のことでお困りの方は、あきらめずに、ぜひ、ご相談ください!
要介護(支援)状態になっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの一翼を担わせていただければと思っております。