人工肩関節置換術とリバース型人工肩関節置換術【太田市 リハビリ デイサービス】

リハビリセンター「グッドデイズ太田」です。

肩の痛みや可動域制限に悩む患者さんにとって、手術という選択肢は大きな決断です。純粋に「手術が怖い」という方は多くいらっしゃいます。しかし、近年、日本でも普及が進んでいる「リバース型人工肩関節置換術(RSA)」は、従来の「人工肩関節全置換術(TSA)」では治療が難しかった症例に対して大きな改善をもたらしています。

当施設でも実際に手術を受けられた方がリハビリ目的にてご利用されています。

術後の適切なリハビリも重要です!


1. 人工肩関節置換術(TSA)とリバース型(RSA)の根本的な違い

最大の違いは、「肩を動かすインナーマッスル(腱板)が機能しているかどうか」にあります。

人工肩関節全置換術(TSA: Total Shoulder Arthroplasty)

本来の肩の解剖学的な形状を再現する手術です。

  • 構造: 肩甲骨側の「受け皿(ソケット)」と腕の骨(上腕骨)側の「球体(ボール)」を入れ替えます。

  • メカニズム: 腕を動かすためには、インナーマッスルである「腱板(けんばん)」が健全であることが必須条件です。

リバース型人工肩関節置換術(RSA: Reverse Shoulder Arthroplasty)

その名の通り、凸凹の構造を「逆(リバース)」にする手術です。

  • 構造: 肩甲骨側に「球体(グロノスフィア)」を、上腕骨側に「受け皿(カップ)」を設置します。

  • メカニズム: 腱板が広範囲に断裂して機能しなくなった場合でも、アウターマッスルである「三角筋」の力を利用して腕を上げられるように設計されています。


2. 対象疾患と適応

どちらの術式を選択するかは、関節の変形度合いと腱板の状態によって決まります。

項目 人工肩関節全置換術 (TSA) リバース型人工肩関節 (RSA)
主な対象疾患 変形性肩関節症、関節リウマチ、複雑な骨折 広範囲腱板断裂
腱板の状態 機能していることが条件 断裂し機能不全の場合でも可能
主な目的 痛みの緩和、スムーズな動きの回復 痛みの緩和、挙上困難(上がらない腕)の改善
年齢目安 比較的若年層〜高齢者まで 原則として70歳以上(※活動性による)

3. 術後の禁忌肢位と動作(要注意!)

手術部位の安定性が異なるため、特に術後早期に避けるべき動作が異なります。

TSA(通常型)の注意点:前方の安定性

TSAでは、手術の際に肩の前面にある「肩甲下筋」を一度切離して再縫合します。

  • 禁忌動作: 肩を強く後ろに反らす(過伸展)、無理な外旋(腕を外にひねる)。

  • NG例: 背中のファスナーを締める、後ろの座席の荷物を取る。

RSA(リバース型)の注意点:脱臼のリスク

RSAは構造上、「内旋・内転・伸展」の組み合わせで脱臼のリスクが高まります。

  • 禁忌動作: 腕を後ろに回して、さらに体に引き寄せる動作。

  • NG例: お尻を拭く動作、ズボンを後ろから引き上げる動作、シャツの裾を入れ込む動作。

 

*様々な手術方法がありますので、術式によって異なります。主治医の先生によく話を聞いてください。


4. 術後のリハビリテーション

リハビリのゴールは「痛みなく、日常生活を自立させること」です。

TSAのリハビリ(腱板の保護と再教育)

  1. 炎症期(0〜4週): 装具固定を行いながら、他動運動(セラピストが動かす)で可動域を確保します。

  2. 再教育期(4〜8週): 縫合した腱板に負担をかけないよう、軽い自動介助運動(自分の力+セラピストの補助)を開始します。

  3. 筋力強化期(8週〜): インナーマッスルのトレーニングを行い、スムーズな関節の転がり運動を練習します。

RSAのリハビリ(三角筋の強化)

  1. 早期可動(0〜3週): RSAは設置直後から安定性が高いため、早期から他動運動を開始します。

  2. 三角筋へのシフト(3〜6週): 腱板がない代わりを三角筋が担うため、三角筋を意識した挙上練習に注力します。

  3. 日常生活への応用(6週〜): 脱臼禁忌肢位を避けながら、洗濯物干しや洗顔などの動作練習を行います。

 

あくまでも目安となります。

実際は、手術時の状態などによって、主治医によって決定されます。

 


5. 日常生活のアドバイス

「手術は成功して終わりではありません。RSAの場合、骨の土台(肩甲骨)に大きな負荷がかかるため、術後数ヶ月は重いもの(3kg以上が目安)を持たないよう注意してください。また、転倒による骨折は人工関節のゆるみの原因になるため、住環境の整理も重要です。」

「特にお尻を拭く動作などの『背中に手を回す動作』は、術後しばらくは反対側の手で行うか、ウォシュレットを活用するなどの工夫が必要です。リハビリでは『痛みを我慢して動かす』のではなく、『正しいフォームで楽に動かす』コツを身につけていきましょう。」


まとめ

  • TSAは、腱板が生きている場合に「元の形」を取り戻す手術。

  • RSAは、腱板が切れていても「三角筋」で動かせるようにする手術。

どちらの術式が最適かは、精密な画像診断と体力、生活スタイルを考慮して決定されます。もし「肩が上がらない」「夜も眠れないほど痛い」という症状がある場合は、一度専門医にご相談ください。


グッドデイズ太田では、肩関節のリハビリにも力を入れております。

現在も、人工肩関節置換術後、リバース型人工肩関節置換術後の利用者さんがリハビリをするために通っておられます。

医療機関にて肩関節外来を担当しておりましたので、手術後のリハビリも多く経験しております。

「肩こり」や「五十肩(肩関節周囲炎)」だけでなく、腱板断裂にてリバース型人工肩関節置換術をお受けになられた方、複雑な骨折をして人工肩関節置換術をお受けになった方、肩関節の専門的なリハビリを受けられる医療機関や施設は限られていると思いますので、術後のリハビリ施設をお探しの方は、ぜひ、グッドデイズ太田にご相談ください。

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